なんか、書いてるうちに堅苦しい言葉ばかり連発して、自分でもイヤになってしまっていた。これでは誰も読もうとはしないだろうから、ここらで軽くいってみようと思う。

 10月30日にDVDリリースされた『アンクル・ドリュー』。……八村塁のNBAデビューで脚光を浴び始めたバスケットボール。Bリーグも頑張ってはいるが、まだまだ全世代に浸透しているとは言い難い。その草野球的な催し、「ストリートボール」に注目した作品だ。ハーレム155丁目の橋の下にもうけられた「ラッカー・パーク」では1950年からホルコンベ・ラッカーによってバスケットボールトーナメントが開催されていたそうです。当初は近隣の子供たちの健全な育成と、大学でのキャリアのためという位置付けから始まったんだそうです。しかし、いつのころからか、NBAの現役プレイヤーとニューヨークの伝説的ストリートバスケプレイヤーが戦う場所へと変貌していったんだそうです。そのうち、ストリートボーラーからNBAへスカウトされる選手まで現れて、ラッカー・パークは全てのバスケットボール選手の憧れの聖地となっていったんだそうです。

 そのラッカー・パークでの大会の優勝を目指していたチビデブのコーチ、彼は学生時代の失態から立ち直れず、自らプレーすることを諦めてコーチに専念している、彼が選手の裏切りで途方にくれている時、伝説の選手だったお爺さん、アンクル・ドリューと出会う。二人はかつての仲間を集め、伝説のチームを復活させ、バスケの聖地「ラッカー・パーク」で開催される大会に挑むことに……。

 話の筋は単純明快。アメリカン・コメディの王道を行く娯楽作品で、こんなものは今までたくさん観てきたよッって言われるかも知れないが、実は、このお爺さんたちが曲者なのだ。

 アンクル・ドリユーを演じているのはカイリー・アービング。現役のNBAプレイヤーなのだが、この人が凄すぎるッ!! デューク大学で1年プレーした後、NBAドラフトにアーリーエントリーして、全体1位でクリーブランドに入団。たちまちオールスターにも選出されるような大物になり、ボストン・セルティックスを経て、今年はブルックリン・ネッツと4年1億4100万ドル(約152億円)の契約を結んだという超ビッグ・スターなのだ。

 その彼が2012年以降、ペプシコーラのペプシマックスのCMに出演するなかで演じたのがアンクル・ドリュー。老人のエイジング・メイキャップをほどこし、ヨレヨレの姿でストリートボーラーと対戦し、相手を圧倒するシーンが評判となって、何シーズンも続けて製作される定番CMになっていたのだ。

 つまり、この映画はCMから生まれた作品ということになる。集められたメンバーもまた凄いッ!! シャキール・オニール、クリス・ウェバー、レジー・ミラー……。私でも名前を知っているレジェンドたち、バスケット・ファンでなくても一度は見たくなる面面ばかり。おそらくCMを知っている人でもビックリするような豪華な取り合わせに人びとの心は奪われることだろう。

 こうなると、言葉のセンスや演技力に卓越したプロのコメディアンの出番がなくなる感じ。これからのコメディはこういった人たちによる意外性が物を言う時代になるのかも……。日本でもサントリー・モルツじゃないけど、スポーツ・レジェンドが主役のコメディが作られるのかも……。知らんけど。

著者

fat mustache

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