近頃の高校生のなかには友だちとつるむのを苦手とする連中が多いらしい。ついつい、根暗なオタッキーぽい者同士で教室の隅で席を囲んだり、昼休みに一人図書館にこもったり……、なんか学校が居づらいトンでもない場所になってしまったみたいに感じる。実際には、学校でイヤな思い出ばかり募らせた、いわゆるナード(Nerd)と呼ばれるタイプが映画制作者のなかに多いので、ついつい悲観的な高校生活を取り上げてしまうってことかも知れない。

 『ジュマンジ・ウェルカム・トゥ・ジャングル』(日本公開は2018年4月6日、119分)はそんな分断された学校に一石を投じる痛快なB級作品。

 ゲームオタクのスペンサー、アメフトの花形選手フリッジ、プロム・クィーンを目指しておめかしに余念の無いベサニー、孤高のガリ勉マーサ。学校内で何の接点もなく、まったく違った高校生活を送る4人が居残りをさせられ、たまたま、“ジュマンジ”というソフトが入った古いテレビゲーム機を発見する。早速、プレイしようとキャラクターを選んだ途端、なぜか全員、ゲームの中に吸い込まれてしまうという筋立て。

 高校でなんの接点もない者どうしがひとどこに集められる? んっ、これって『ブレックファスト・クラブ』(1985年、米、97分)じぁ~ん。とへんな納得をしてしまいました。

 そこでは現実の自分とは身体も性格も、さらには性別までもが異なるキャラに入れ替わっていた。気弱で痩せたゲームオタクの男子は、ムキムキで勇敢な冒険家に。自撮り大好きなインスタ美少女は、まさかのヒゲを生やしたメタボ中年という衝撃的な姿にと……。彼らの目の前に広がる光景はジャングル。カバ、ジャガー、ゾウ、ヘビ、サイ……。現実世界に生きて帰るには、各自のスキルを使って、難攻不落のステージをクリアするしかない。

  ゲームとはいえ、3つの予備生命を使い果たすと、高校生たちは本当に消滅してしまう。そんなシビアな極限の状況で、彼らは自分とは全く異なったアバターを駆使せねばならないのだ。このギャップこそが、映画の面白さを倍加させている。そして4人は別人格と向き合うことで、壁を感じていた現実での人間関係や、克服すべき諸問題に対し、乗り越える示唆を与えられていくのです。

 子ども向けにわかりやすく設定してあるとはいえ、他人の心情を思いやる心や、頑強な肉体があっても困難に立ち向かう勇気をもたなければ事が成就しないことを学んだ彼らは現実世界に戻っても深い友情で結ばれる。

 前作『ジュマンジ』(1995年、米、104分)の続編ということで2016年にプレスリリースされたが、折しもロビン・ウィリアムスが亡くなった直後であったため、彼の死の冒涜だとの非難を浴び、1年待って2017年のクリスマス映画として興行を開始したらしい。でも、これが大成功。世界的な大ヒットにつながった。

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