ネタが尽きそうになったので、『アラジン』を観てきた。しかも吹き替えで……。さすがに巨大資本のやること、すべてが徹底している。VFXは徹底して素晴らしく、キャストも洗練されていて、瞬時にその世界に入り込むことができる。土日を避けて平日に行ったが、逆に未就学児が多かったりして、ちょっとザワついていた。

 ファンタジーというくくりでは広すぎるが、自分の知るはずもない異時間、異空間で繰り広げられる有り得ないおハナシってことにすると、アニメも含まれるだろうが、ある程度絞ることができると思う。

 このところのディズニーの力技は凄すぎる。今年にはいってからも『メリー・ポピンズ・リターンズ』、『ダンボ』から続々公開される。

 ところで、日本のファンタジーはどうなの? って振り返ってみると、ジブリ作品はある程度のレベルを保っている=『千と千尋の神隠し』(英語名”Spirited Away”)はMetacriticのベストムービーで堂々の41位にランクインしている=が、NHKが大河ファンタジーと銘打った『精霊の守り人』って、ありゃ、なんだったんだい? 俺たちをバカにするのもいい加減にしろっ!!って言いたくなる。 あれだけのキャスティングで随分もったいないことをするもんだっ! やるなら徹底して欲しかったネ。

 じゃあ、どんなのがファンタジーかって? そりゃバーフバリでしょ! インド映画で初めて全米映画興収でベストテン入りした『バーフバリ 伝説誕生』は圧倒的なスケール感と数十年の時間経緯、CGと実写の見事な融合、つまりVFX。観る者を決して飽きさせない筋立て、インド映画に共通する歌と踊り。これこそがファンタジーでしょ!! 続編の『バーフバリ 王の凱旋』も公開され、一大旋風を巻き起こした。2018年には、それぞれのミュージカル部分のカットを補った完全版が相次いで公開され、好き者には忘れられない作品となった。ひょっとしたら、このところのディズニー作品も、この映画を相当意識した作りになっているのかも知れない。ミュージカル仕立てで、絶対経験できそうもない異空間を舞台に、分かりやすい勧善懲悪、ハッピーエンドでの終わり方は万人に安堵感を与えてくれる。

 もう少し、ダークな雰囲気を持つ作品を探してみると、ギレルモ・デル・トロを世界的な大監督に押し上げた『パンズ・ラビリンス』がお薦めかも。こちらもMetacriticのベストムービーでは14位に位置している。スペイン内戦下の抑圧された現実世界と本の中にある妖精やおとぎ話の世界をじょうずに織り交ぜながら、主人公の少女が命と引き換えながら地底の王国の姫君になるという大人びたファンタジー。

 これと同じような趣を持つのが、バスク地方の伝説に基づいた『エレメンタリ~鍛冶屋と悪魔と少女~』。ゴメン。これNetflixだけでやっている。

 

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fat mustache

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