NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(日曜後8・00)の第22話が6月9日に放送され、平均視聴率が6・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったそうナ。同番組が4月28日放送の第16話で記録した7・1%を下回り、大河ドラマ史上最低視聴率を更新したんだそうだ。

  大河のコアなファンにとって近現代のおハナシは身近すぎて、その世界に没頭できないのかも……。なにしろ同時代に生きていた人たちはちょっとした小道具や服装の違いに違和感を持ったり、言葉遣いの端々に「そんな言い方はせんかったでぇ。」と異論を唱えてチャンネルを変えていく。そろそろ主役がリレーされて阿部サダヲに交代する時期だが、NHKの思いとは裏腹に現在に近づくほどディテールの齟齬が目立つことになりはしないか心配になる。

  なんとなくだけど、低視聴率の責任をひとり脚本家に押しつけようとする雰囲気が感じられるけど、それは、料簡が違うだろう。だいたい58年も同じようなスタイルで固めたルーティンを一気にブチ破ろうってのは至難のワザ。主人公の地元の異様な期待とか、盛り上がりってホンマかいな。一部の人たちのよこしまな考えに寄り添いすぎて、肝心なことを置き去りにしていないのだろうか。

  言ったってエンターテイメントだろっ!! エンタメに徹したらどうなんだい?

  決して評判が良いわけでもなかったが、『パンク侍、斬られて候』は宮藤官九郎脚本による異色時代劇。原作自体もワケわからんものらしいが、映像化されると余計にハジけて見える。錚々たる面面がはじけまくっている。その楽しそうな雰囲気がダイレクトに伝わらないせいか、「楽屋落ちかよぉ~。」との感想を多見したが、どうもそれは監督が社会的メッセージも織り込もうと腐心したためでもありそうだ。もっとお笑いに軸を置いて、ただただ笑っていたほうが受けは良かったかも知れない。

  でも、捏造までして権力闘争に明け暮れる重臣たち、その重臣に振り回される家臣たち、原則論しか吐かない主君。現代社会の鬱屈した閉塞感を反映させようと頑張っている姿に好感が持てる。それにも増して、スキンヘッドで全身タトゥーの二代目教祖が浅野忠信だなんて、なにこれっ! 完全にお猿にしか見えない大臼延珍(デウスノブウズ)を永瀬正敏がやる必要はあるのかい? 『バターソン』では思慮深そうな日本人詩人を演じた人でっせ。そのキャスティング自体、結構パンクしてるよ。

  官九郎自身がメガホンを撮った『真夜中の弥次さん喜多さん』での衝撃、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』での奔放さ……。カネを出す側の制約をなるべく取り払って、自由な発想を貫くと、その世界観は輝きをみせる。もう一言いうと、プロモーションのやり過ぎで劇中に受ける衝撃以上のものを期待して観てしまうと、どんなに良い作品でも陳腐に見えてしまう。ハッキリ言ってパンク侍は前宣伝の失敗が致命的だったんだよ。

 

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fat mustache

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