『最高の人生の見つけ方』が日本でリメイクされて、 2019年10月11日に公開されるんだってョ。まぁ、ワーナー・ブラザース映画が配給元だから、それなりの質を確認しての上だとは思うけれど、主演の二人は吉永小百合と天海祐希なんだそうな……。最高級のコーヒー豆「コピ・ルアック」を万人に知らしめた前作の 『最高の人生の見つけ方』は、二人の名優の身体から染み出るオーラのような雰囲気があってでのこと。脚本や演出にだけ、依拠したものでは無かったと思うんだけど……。

  最高の眼力、エドワード(ジャック・ニコルソン)に見つめられたら、どんな難題にでも従ってまいそうだが、その彼は経費節減のため決めた個室なしッという原則をチャンと守ってカーター(モーガン・フリーマン)と相部屋になる。かたや大富豪、もう一人はしがない自動車整備工。これまで全く接点のなかった二人はともに余命6ヶ月を宣告されて、“やりたいことリスト”に基づき、残りの人生を生き生きと駆け抜ける。というお話。カーターには大学に進学しながら、家族のために勉学をあきらめた過去がある。その思慮深く身に降りかかる全ての事柄を穏やかに受け入れる度量がある。

  この設定って、誰が演じてもやりこなせるものなのだろうか? どう考えても、この二人を想定して書かれたとしか思えない。二人の醸し出す雰囲気をマッチングさせて、どんな話ができるだろう? って感じで生まれた映画じゃないんだろうか。シリアスからコメディまで幅広くこなすニコルソンだが、強靱な意志を貫く頑固一徹の男ってところは軸にあると思うし、大統領まで演じたフリーマンには洗練された高い教養と些事には動じることなく対処する信頼感が溢れている。『アバウト・シュミット』や『ドライビング・MISS・デイジー』を観ていたら、納得する人も多いはず……。

  ところで、リメイクだったらこうでなくっちゃ! って感じの映画が2018年の正月映画として公開されていた。正確には 2017年12月8日公開なのだが、正月映画屈指のミステリー超大作と銘打って宣伝されたので、そういうことにしておきましょう。それは『オリエント急行殺人事件』ってやつです。

  たいがいの人が一度は耳にしたことのあるタイトル、アガサ・クリスティの名作ミステリーは1974年にも映画化されている。『オリエント急行殺人事件』(1974年)は第47回アカデミー賞では、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞、衣装デザイン賞の6部門でノミネートされ、イングリッド・バーグマンが助演女優賞を受賞している。自作の映画化に必ずしも好意を抱いていなかったクリスティがOKしたので制作陣も気合いが入り、超豪華なキャスティング。先のバーグマン以外にローレン・バコール、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンス、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ショーン・コネリー……。ポワロ役のアルバート・フィニーが吹っ飛ぶような大物揃い。多くのスターを並べた力作だった。

  ただし、最初に誘拐事件の概要が流れるため、結末が読めてしまう。また、ポワロのイメージがどうもシックリこない。屈強な体軀とイヤミったらしい尋問が私の持っていたイメージとどうもそぐわない。それに全てが列車内で完結するので動きに乏しい。時間が経過しただけでなく、なんか、もう一工夫欲しいよナって感じを持ってしまった。

  対して。『オリエント急行殺人事件』(2017年)は、ダイナミックな構成に一新されていた。ポワロを演じるのはケネス・ブラナー。外観はこれまた屈強すぎてポワロ? って感じは否めないが、偏執狂的側面を上手に組み込んで努力の跡が窺える。この人はイギリスの王立演劇学校を主席で卒業した俊才。演出でも希有な才能を発揮して過去のアカデミーでは主演男優賞のみならず監督賞にもノミネートされている。

  それにも増して私が印象深いのは『刑事ヴァランダー』のクルト・ヴァランダー役だ。これはBBCが製作したTVドラマで、シーズン4まで全12話が作られている。残念ながら日本国内ではシーズン2までしかDVD化されなかった上、シーズン3シーズン4はストリーミングでしか観ることができないのでチョッと悔しいが、人間的な弱さを持った等身大の刑事を好演していた。

  これがまたリメイクといやぁリメイクなんだナ。2008年から2016年にかけて製作されたBBC版とほぼ同時なんだけれども、2007年からスウェーデン版が放送されている。、

 オッと余談が過ぎたが、こちらもジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、……。錚々たる面面が顔を連ねていて、見応えがあった。まぁ、そんな閑人は滅多にいないと思いますが、前作と併せて鑑賞すると、結構いろんなことを発見するかも知れませんなぁ……。

  

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著者

fat mustache

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