中国つながりで『ワン・チャイルド・ネーション(一人っ子の国)』について……。これは町山智浩さんがラジオ『たまむすび』の中で詳しく紹介されていたものを書き起こした方がおられるので、それをご覧になれば事足りるのですが、私なりの感想というか、考え(相当偏向していると思う……)を書きとどめることにします。

 中国では2016年1月にいわゆる「一人っ子政策」が撤廃され、すべての夫婦に二人目の子どもを持つことが認められるようになったらしい。この政策の弊害は多方面で論議され、私たちも「小皇帝」なる流行語を耳にすることがあった。それは中国のことだけではない。長年不妊治療で苦労した私は結構遅くに子どもをもうけることになった。通常の定年時に、子はまだ大学生という環境だったのだ。第二子を考えるには母体に無理があると考え、ひとりでも生まれてきてくれたことに感謝し、感慨に浸っていたが、中高生ぐらいになると、チョッと不安になることが出て来てしまった。それは両方の祖父、祖母が溺愛し、やたら財布の紐を緩めることだった。

 妻の実家に男の子が居なかったこともあってか、五月人形どころか、実際に着用できるような大きな鎧兜がドーンと届いたり、やたら高価な昔ながらの乳母車を買ってきたりしていただけでなく、少し成長すると、本人に小遣いをわたすようになっていったということだ。その額が桁外れ。お年玉として子どもにわたる金額がとんでもないことに……。金があるって自慢しているんじゃなくて、オレの小遣いより潤沢な資金を子どもが手にしていたんだってこと。つまり、彼にはカネの入ったポケットが6つもあって、どうやって遣り繰りしようか悩む必要が無かったということなのだ。

 そんな人が社会に出て、責任を負う立場に立った時、ホントに責任を持ってくれるのだろうか? 必ず訪れる難局を乗り越える力を持っているだろうか? 少子化の続く現代に見かける若者に不安を抱くのは自分だけではないだろう。

 ところで、この映画は「小皇帝」の問題ではなく、約1300万人はいると推測される「黒孩子(ヘイハイズ)」でもなく、黒孩子になることも許されなかった赤ちゃんのことを捉えている。この女性監督を取り上げた産婆は「何人ぐらい取り上げたんですか?」って聞かれると「それは覚えてないけども、5万人殺したことは覚えている」と答えるというものだ。不妊手術や強制中絶をずっとやっていた中国計画出産協会という組織があって、そこで金賞をもらって表彰を受けた人は、それこそ10万人とかすごい数の処理をしていて「勲章をもらって褒められたことをいまでも誇りに思う」って言う始末。

 そういった地方(田舎)の状況をハンディカメラに収めていったドキュメンタリーという触れ込みだ。町山氏は『アクト・オブ・キリング』と並べて、殺人が英雄扱いされる狂気を強調しているが、『アクト・オブ・キリング』での殺人実行者はもともと「プレマン」と呼ばれた町のヤクザ者たちで、善良な市民から見れば鼻つまみ者たち。それと勲章もらった連中を一緒にするわけにはいかない。穏やかそうな隣人が政府の方針だからってホイホイ赤ちゃんを棄てているのとは違う。

 どうも民度の違いを強烈に感じてしまうのだが、……自分だけか。また、アマゾンプライムになっているということは、いわゆる独立系とは違って何となくプロパガンダの匂いが……。

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著者

fat mustache

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