世間の自粛ムードに引っ張られて、このブログまでも自粛モード。でも、こんな自宅にこもる時こそDVD鑑賞にもってこいのはず。ここは一踏ん張り頑張りましょうか。直近で最後に映画館まで足を運んだのは『ジュディ虹の彼方に』でした。公開初日、朝一番に観ることにしたが、その出来の良さにビックリ。後半は涙が滲んで止まらなかった……。

 アカデミーの賞取りでは、カノ国のパラサイトが作品賞に輝いたが、カンヌの時以来どうも尋常ならないロビー活動を想起してしまうようなイヤ~なムードを感じていた。あの民族にみる怨念への執着や他人と家族にそそぐ視点の違い……、っていうか隣人に対しても冷たく足蹴にするような雰囲気。これは私たちとはかなり違った感情だ。だから、万引き家族同様、都会の底辺に生きる人びとをデフォルメして描いているが、そこに他者を思いやる仕草や厳しい内面に立ち入らない優しさを全く感じない。

 そんな人たちが権威を得ようとカネにあかして賞取りをすると、最初はそのあからさまな痴態を冷笑しながらみていたのに、いつぞや自分たちも煽られて同様の感覚に侵されてしまう……。日本社会のムードも同じことだ。マスコミでしか知り得ないが、今、巷に蔓延する感覚は、明らかに本来、私たちが持ち合わせた「やまとごころ」とは違ったものに成りつつあるような気がする。

 そんなことはどうでもいいが、エンタメ界のスターたちに共通する悲哀。望まれる姿を維持するために極端なカロリー制限を子どものうちから強制されたり、疲れ果ててスタジオの隅に倒れ込もうとすると、そっと渡されるアンフェタミンの錠剤……、社会生活から隔離されて、ふつうの経済観念や他人との接し方も知らないまま薬漬けにされ、あげくは過剰摂取で死に至る。M・ジャクソンが被って見える。

 そんな彼女が経済的にも追い込まれてたどり着くロンドンのナイトクラブ。最早アメリカでは顧みられなくなった彼女に救いの手を差し伸べるイギリスの人びと……。ついてくれた現地のマネージャーやバンドマスターの温かい眼差し……。それすらも裏切る彼女の振るまい。極度の緊張から逃れる手段を持たない痛々しさ……。もう、最後は観ていられないほど悲しくなってくる……。

 主演のレネーはアカデミー主演女優賞を獲得したが、彼女もここ十年近くハリウッドを離れて映画界と距離を置いていた。カムバックの意味も込めての受賞のようだが、まるまる1年、レッスンを受けて、自ら歌唱するなど、力の入れ方は半端ない。これぞエンターテイメント。最高だッ!!

  DVDの紹介と行きたいところだが、ここはド素人の私の下手な見解より、nobu さんが紹介しておられるものが相応しいと思う。ジュディをより知るにはこれをご参考に……。

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fat mustache

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